140円の限りなき挑戦

数か月前、一人暮らし3年目にして花を飾ることにした

特に深い理由はない、ただ生活に彩りを考えただけだった

男一人で花屋でうろたえていると向こうには贈り物用と思われるらしく声を掛けられ優しさに触れる

「プレゼントですか」

「…いえ、飾るようです、自分用に一輪だk…」

「素敵じゃないですか」

「何かおすすめはありますk…」

などと話しながら選んでいた。

店員さん曰く、バラ、カーネーション、ガーベラが初心者向きらしい。

そこの花屋には値段は書かれていない

相場すらもわからないままなんとなく一番安そうな赤いガーベラを一輪だけ買うことにした

 

140円

帰りに100均で花瓶を買い家に着く

飾ってみるとセロハンで固定されていた花は少し閉じていたがすぐに開いた

 

赤いガーベラの花言葉は「神秘の愛、前向き、限りなき挑戦」らしい

確実に花のある生活がその日からスタートしていること

値段に日和って選んだ花も、数ある色から赤を選んだことも、そもそも花を飾りたくなったのも

別に偶然ではないように思えた